インテグラル 「日本型投資モデル」を追求するPEファンドについて解説!

 

インテグラル株式会社は2007年設立された独立系ファンドです。M&Aの業界で革新的な手法で数々の業績を残したレジェンド的存在の、佐山展生氏と山本礼二郎氏の2名が設立しました。佐山氏は現在スカイマークの会長として積極的に発言されており、またインターネットメディア上で堀江貴文氏と対談するなど積極的に発信をしているので各メディアで記事を目にしたことがある方が多いのではないでしょうか?アクティブに投資を行うインテグラル株式会社について7つのポイントから解説していきます!

 1. 会社概要
 2. メンバー構成
 3. 投資方針
 4. 投資実績
 5. 過去の投資案件
 6. 採用方針
 7. 投資を受けるために

 

1.会社概要 重要ポイント!独立系投資ファンド

インテグラル株式会社は2007年に設立された独立系投資ファンドです。設立者の佐山展生氏と山本礼二郎氏は銀行にてM&Aに携わった後、日本と韓国の非上場企業に多くの投資をしているPEファンドのユニゾン・キャピタル、M&A助言に特化したGCA株式会社などを設立し日本のPEファンド、M&Aの業界をリードしていました。その二人が今後日本企業を取り巻く環境が厳しくなる中、「資本家」という立場から経営者と協力して日本企業を改革していくという理念の実現のために設立した会社です。事業内容としては、上場非上場問わずエクイティ投資をする投資ファンドという形となっています。

商号 インテグラル株式会社(Integral Corporation)
所在地 〒100-6610東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー10F
事業内容 1. エクイティ投資
2. エクイティ投資に付随する経営および財務に関するコンサルティング
創業 2007年9月

※その他の会社概要についてはファンド詳細情報をご確認ください。

2.メンバー構成 重要ポイント!多様なバックグラウンドの専門家集団

設立者の佐山展生氏と山本礼二郎氏はM&Aの世界で大きな業績を残した二人です。

佐山展生氏は帝人の研究開発から三井住友銀行へ転職し、97年の日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)傘下のノンバンク、クラウン・リーシングの破綻処理を成功させた人物です。この時「バルク入札」という手法を日本で初めて使ったことで有名です。その後設立したGCA株式会社でも、阪急ホールディングスと阪神電気鉄道の統合に携わり、阪急阪神ホールディングス誕生の黒子を務めました。

 

山本礼二郎氏はさくら銀行(現三井住友銀行)にてクロスボーダーM&Aを担当していた方で、その後のユニゾンキャピタルやGCA株式会社でもPEファンド業界の草分けとしてバイアウトファンドをを成功させ、多数の業種のM&Aをリードしてきた方です。特にGCA株式会社でのワールドのMBOでは非公開化をストラクチャリングしたことは有名ですね。

二人は2018年のテレビ朝日のドラマ「ハゲタカ」の考証もされていました。「ハゲタカ」をご覧になった方も多いのではないでしょうか?

M&Aの世界で有名な二人が設立した会社ですが、他のパートナーにはコンサルティングだけでなく、事業会社、商社、銀行、弁護士など多様な業界でM&Aなどに携わった方が多く居ます。メンバーやアナリストにも、証券会社、監査法人、公官庁、そしてサッカー選手として活躍後チームマネージメントの経験を持つ方など多様なバックグラウンド、専門性をもつメンバーで構成されていると言えます。

3.投資方針 重要ポイント!日本型PEファンド

次にインテグラル株式会社の投資方針をみてみましょう。

投資対象 上場企業・非上場企業のエクイティ投資(普通株、転換権付優先株、転換社債、新株予約権等エクイティ性のあるものが主な対象)をしています
投資手法 MBO、LBO、マイノリティ投資など幅広い手法に対応可能です
対象業界 制約なし
投資の特徴 「ハイブリッド投資」として自己資金も投資して真の長期的経営サポートをめざしています
企業サポート 「i-Engine」と呼ばれるハンズオン型の経営支援
投資基準 (最低限の投資収益である)ハードルレートで8%、投資の判断材料になるIRR(内部収益率)で30%が1つの基準になります

「ハイブリッド投資」「i-Engine」など独自の手法をもっていることが特徴ですね。これらはドラマ「ハゲタカ」のイメージとは真逆の手法やサポートなんです。

「ハイブリッド投資」は自己資金も投資することにより、ファンド資金がEXITした後も必要に応じて継続して投資が可能になり、EXIT後も含め長期的な投資先へのサポートをすることができます。また「i-Engine」による経営・財務の両面での支援は、エクイティ投資、M&A、などで日本市場を切り開いてきた経験豊富な人材、プロ経営者として企業経営の現場を自らリードしてきた人材からのサポートを受けられます。

もう一つ強調されているのは日本企業のための「日本型PEファンド」という点です。

メンバー全員が日本で活動し、日本の企業経営者と同じ目線でコミュニケーションを取り「信頼できる投資家」として「ハート」のある信頼関係を築きながら意思決定をしていきます。また、日本でも欧米のファンドの投資額が大きくなる中、インテグラルには大型案件への共同投資を目的に出資している投資家が増えてきています。数千億円から1兆円を超える案件でも対応可能で「超大型案件を日本のファンドが担当する日」の実現を目指しています。

4.投資実績 重要ポイント!大企業から中堅企業まで幅広い投資先

インテグラルの投資先は上場企業も含め20社以上になります。大型再生案件として現在もスカイマークのに携わっていますが、多くの成長支援案件や事業継承案件にも投資を行っています。

ファンド 投資額 投資先企業
1号ファンド:2010年設定完了 112 億円 機械製造販売保守のBPS、

ファッションブランドのヨウジヤマモト、

バッグの企画製造小売のSHICATA、

TV-CM広告企画制作のTYO、

アパマンショップ、

光電子部品の開発・製造販売ファイベスト、

居酒屋チェーンのTBI、

2号ファンド:2014年11月設定完了 442 億円 居酒屋チェーンのTBI、

足場製造販売の信和、

ネイルサロン「FASTNAIL」のコンヴァノ、

ヘアカットチェーン「QBハウス」のQBネット、

イトキン、

スカイマーク、

アデランス、

水産物卸とマグロ養殖の株式会社ジェイトレーディング、

電子部品製造の大泉製作所

3号ファンド:2017年4月設定完了 730 億円 コールセンターの株式会社ダイレクトマーケティングミックス、システム開発・コンサルティングの株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング、

プラントエンジニアリングの東洋エンジニアリング株式会社、

流通システムの製造販売のサンデン・リテールシステム株式会社、

製造業・ロボットシステムインテグレータの株式会社 JRC、

株式会社 消費財 企画・販売業のT-Garden、

システム開発・ITコンサルティングの豆蔵ホールディングス

特徴的なのはインテグラルの「ハイブリッド投資」の方針により、ほとんどの案件でプリンシパル投資(インテグラルの自己資金による投資)も同時に行われているところです。

5.過去の案件概要 重要ポイント!大型案件における実力

過去の重要な案件の概要についてご紹介します。

スカイマーク

1996年航空業界で国内初の新規参入として東証1部上場で国内第3位の航空会社スカイマークは設立された会社です。大型機材購入をめぐって経営危機が悪化、15年1月28日自力での経営再建を断念、民事再生法を申請し3月1日付で上場廃止となりました。

再生スポンサーの募集・選定などを行うフィナンシャル・アドバイザーには、佐山氏が取締役パートナーのM&A(合併・買収)助言会社、GCAサヴィアンも就き、資金だけでなく事業面も民間ファンドが主導する当時としては珍しい案件となりました。

スカイマークの再建に名乗りを上げたのはインテグラルのほか、ANAホールディングス(HD)、日本政策投資銀行(DBJ)、三井住友銀行(SMBC)など。インテグラルがスカイマークに最大90億円のつなぎ融資を実施した上で、15年8月5日、東京地裁で開かれた債権者集会でANAHDが支援する再生計画が認可され、スカイマークは100%減資を行うと同時に、第三者割当を実施。インテグラル、ANAHD、UDS(日本政策投資銀行と三井住友銀行が共同出資するファンド)が総額180億円を引き受け、出資比率はインテグラルが50.1%、UDSが33.4%、ANAHDが16.5%となりました。

使用する航空機の機種の統一と共に、「スカイマークは遅れる、欠航する」というイメージを払拭するために「定時運航日本一を目指す」を掲げ、2016年度上半期には定時運航率は90%以上でトップ3入りを実現し、欠航率も0.55%で最も欠航​しにくい航空会社となりました(国交省発表、​国内航空11社ランキングによる)。19年10月、東証に再上場を申請し、同時に国際線参入を明らかにしたスカイマークは再上場後、フルサービスキャリアでも格安航空会社でもない「第三の道」を歩む方針を打ち出しましたが、2020年世界的な新型コロナウィルスの感染拡大により上場申請を取り下げました。

国内線メインのスカイマークですが、非常事態宣言下では国内線も80%運休していたため影響は甚大です。非常事態宣言解除後の国内路線の復活状況など今後の状況をを踏まえた今後の方針決定が待たれます。

シカタ

株式会社シカタは女性向けファッションバッグのOEMメーカーとしてトップクラスの実力を持っている会社です。オーナー経営からチーム経営への事業承継を支援しました。シカタは上海の大規模な自社工場による生産により、コスト競争力と品質に優れた製品をタイムリーに作れるという強みがありました。しかし中国での労務費が上昇し競争力が落ち、仕入製品のコスト上昇の結果会社全体の収益にも悪影響を与えるようになっていました。そこで複数の協力工場網による生産体制を整える一方、最終的には自社工場を中国の投資家に売却し自社工場の経営からは撤退しました。複数の協力工場網による品質向上とコスト競争力の確立し、安定的な収益を生み出すようになりました。大掛かりな労働争議や地元の政府とのタフな交渉など難しい内容を乗り越えての経営改革となりました。

このスカイマーク案件のように、インテグラルが日本企業の再生改革のために大型案件で実力を発揮しています。もちろん「日本型PEファンド」として難しい海外政府や企業投資家との交渉についてのノウハウも持っていることがわかりますね。

6.採用方針 重要ポイント!求められる3つのスキル


インテグラルの人材採用で重視されるのは、

財務モデリングのスキル M&Aエクゼキューションスキル 経営戦略立案スキル

と言われています。

若手でこれら3つ全てのスキルを持ち合わせている人は少ないと思いますが、どれか一つに強みを持ちさらに重要なのは企業経営者従業員の方々とスムーズなコミュニケーションがとれる人間的魅力をもっていることです。

そして、インテグラルは「日本企業そしてさらには日本を変えていこう」という理念を掲げています。この理念と同じ強い思いを持っている人はぜひインテグラルの門を叩いてみてください。

7.投資を受けるために 重要ポイント!コミュニケーションがとりやすい「相対」

ファンドの投資対象の選定は、相対(あいたい)、入札、それと対象者を絞ってクローズドな形で行われる限定入札という3つがあります。インテグラルでは全体の4分の3くらいが相対となります。相対のケースでは、事業承継を考えているオーナーの方や上場企業の経営者の方が非公開化を考えられて弊社に直接コンタクトをされる形もありますが、メンバーの個人的なつながりからの紹介や、証券会社やFASなどを通じての紹介など、仲介者をはさむ場合もあります。相対は重要事項についてもコミュニケーションがとりやすい点が利点となります。

投資を受けることを検討している方は、各所に相談したり直接インテグラルに相談することで前に進むことができますね。

インテグラルの投資基準は、業種は問わず会社に強みがあるか?現在の状況が一時的な状況なのか?などから総合的にメンバーが判断をすることになりますが、基本的には(最低限の投資収益である)ハードルレートで8%、投資の判断材料になるIRR(内部収益率)で30%を基準にしています。また佐山氏が「立ち上げ間もないベンチャー企業と、土地や建物などの不動産、海外企業の3つには手を出さない。ベンチャー企業は成長の予測が難しい。不動産は独特の市況に左右されてしまうことがネック。海外企業は国内と比べ情報を集めにくいことが投資を避ける理由」と述べているので、ベンチャー企業、海外企業は投資対象としては厳しい判断となる可能性が高いかもしれません

8.まとめ

インテグラルは「日本型PEファンド」として日本企業の改革のために非常にアクティブに投資を行っています。今後リーマンショックよりも厳しい環境が続くと思われる日本企業にどのようにインテグラルが働きかけていくか注目していきましょう!

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